ハーレー不定期小説『晴れと雨』

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おっ、おいっ!
 疲れたのだろう、ふと海を見ると本当に天国にいきそうな目をしていた。これ以上長居すると海が動かなくなりそうだし、迷惑もかかるので帰ることにした。
 一度暖まると一段と外が寒い。海を送る途中、全然知らないハーレー乗りと目が合った。確かに向こうが笑顔だったのでこっちも笑顔ですれ違った。車と違ってバイクはなぜかフレンドリーになる。単独気分がマンサイな乗り物なのでいつの間にか習慣になってしまってるのだろう。
 無事、海も送って自分の家へ着いた。ジーさんに無事着いたとありがとうのメールをしてそのまま寝てしまった。
 
 初ツーリングからもちょくちょくツーリングに出かけているけれど、リクはいたって好調でノントラブル。
 俺にとってリクとの出会いは人生が変わったと言っていいほど大きな出来事だった。あの雨の日に寂しそうにたたずんでいたリクが、今は俺の相棒になって楽しませてくれている。特に何かに熱中することが無くダラダラした生活だった俺が何かに熱中して、長続きして、笑顔が増えたのはすごい変化だと思う。
 おかげ?かどうか海も楽しそうで、なんとケツコンも決まりました。海、陸、はたまた子供たちとずっとハレな生活を送っていこう。
 
 
    ~第一部 完~

15 p 2008年02月26日01時10分

良く考えたら・・・
 2月だ。とんでもなく寒い。日も暮れて一段と寒さが増した。分厚い手袋の中の手もかじかんでいる。日がある頃はあんなに元気だったメンバーも、疲れと重なったのか口数が少なくなってきた。あと数十キロでこの旅も終わる。おそらく今皆が思うことは「寒い」と「あと少し無事で帰ろう」くらいであろう。でも、気持ちとは反対に皆の運転が少しいい加減っぽくなってきた。そんななか、車通りの少ない道でおもむろにジーさんが先頭に躍り出た。すると皆がジーさんから少し距離をおきはじめる。俺は何が起きようとしているのか気になり少し目が冴えた。その瞬間、とんでもないことが目の前で起きた。
 ジーさんがスーパーマンのポーズでバイクに乗っている?いや飛んでいるではないか。もちろん良い子はマネしたらいけないが、悪い子もマネしないと思う。しかもあの体系ならパーヤンだ・・・おかげで元気を取り戻し、あと少しも疲労を忘れて楽しめそうだ。ただ、俺のなかでジーさんがさらに謎で包まれた。周りの景色が普段の見慣れた景色に変わってきた頃、メンバーの数人が大手を振って分裂していった。皆は平然と手を振り替えしたが、俺は突然の出来事で無視してしまった・・・今度謝っておこう。なんだかんだでジーさん家に帰ってきたのはジーさん親子と俺ら二人だった。お礼をいって帰ろうとすると「暖まっていけよ」と家に入れてもらった。そこは天国のように暖かくてもう帰りたくなくなってしまうほどだった。

14 p 2007年11月29日23時51分

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